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ワディ・ダハールへ

サナアに到着して、私に残された時間は3日。首都でありながら一番の見所サナアとその周辺をゆっくり見るつもりだった。1日は郊外の@ワディ・ダハール半日、別の日A姉妹都市シバームとカウカバンで半日、あとはゆっくり・・・と思っていた。@とAどちらを先に行こうか考えていたけれど、旅は道ずれ?マイクが今日の午前にワディ・ダハールへ行き午後にホデイダに発つというので今日は一緒にワディ・ダハールに行くことにした。
朝、約束の時間に部屋をノックして一緒に朝食へ出かけた。ホテルから程近いお気に入りになったお店でパンと煮込みとシャーイ(紅茶)をいただいて、お互いの旅話に花が咲く。
食べ終わってお店の人にワディ・ダハールへ行きたいのだと相談するとお店のすぐ裏の道はダッバーブ乗り場を指差した。何台ものダッバーブが犠牲祭で静かな街の片隅に何台か密着して停まっていた。その様子を見聞きしていた一人のお店のお客さん、片手にはパンを持ち話しかけてきた。アラビア語だけどね。どうやらその人がワディ・ダハール方面の乗り合いタクシーターミナルまで乗せて行ってくれるようだ。金額交渉も納得がいったのでお店の人にお礼を言ってターミナルへ。
15分くらい乗ったところで、ターミナルらしい場所に着き、私たちは乗り換えるタクシーを捜した。
何人もの人がその場所で北の町々へいくタクシーを待っていた。タクシーに乗るつもりでいたら、前に小さめのバスが停まった。ああこんなのもあるんだぁなんて見ていたら周りの人が次々に乗り込む。確認したうえでマイクと私も一緒に乗って座ると、少しして今度はみんなが次々に降りて行くじゃないの。
このバスは高すぎるのか発車しないのかわからないけど降りないといけないような感じで、私たちはまた5分ほど待つことになる。次に来たのもバスだった。でも今度は無事目的地へ出発するものであり、値段もまぁいいか。それでも、もっと安いものを知っている人たちだろうか、数人の人は価格交渉の上で降りて行った。ワディ・ダハールまでは30分ほどの距離だ。

親切だったお兄さん。一緒に乗った荷台でマイクと。
車は駐車場でガソリン補給中。

このバスを捕まえた場所も結構静かだったけど、とまって下ろされた場所も静かな場所だった。着いたのは乗り合いタクシーではなく路線(?)バスだからだろう、目的地までではなく途中で停まってバスは左折して去っていった。
周りにいた数人の人にワディ・ダハールへ行きたい旨を伝えるとこれまで来た道の先を指す。マイクと一緒に歩き始めると少し先を歩いていた松葉杖のお兄さんが私たちに気付き、同じ方へ行くから一緒にと言ってくれた。お兄さんはイエメンの民族的な衣装ではなく、シャツにコートを着た少し外国っぽい雰囲気の装いだった。英語も話せる。松葉杖なのは足を怪我してしまったからだと言っていた。
3人でしばらくすでに強くなりつつある日差しを避けて木陰で車を待った。
来た車には私たち3人が乗るには十分な荷台がついていて3人で荷台に立って乗り、風を浴びながら話を弾ませた。とても感じのいい人だった。一緒だったのは15分もなかっただろうか。お兄さんは起用に松葉杖を使って荷台を降りると大きく手を振り去っていった。
私たちはさらに5分ほど乗ってガソリンスタンドの横に道がある場所で下ろされた。ワディ・ダハールはこの道を右に行く。乗せてくれた人は左へ行くから下ろされたのだ。
でも、この降りた場所を別の車が奥へと進んで行った。何かあるのかもしれない。上り坂の道の先はくだりになっているようで奥は見えなかったけど、何があるか見たかった。

その坂を越えるとこの場所が高台にあることがわかった。遠くにある山や岩壁のきれいな景色が見えている。少しずつ進んでいくとそれらの高い山と今私たちがいる場所との間には谷間のような盆地のような場所にさらに美しい景色が広がっていることがわかった。
歩いてこの高台の減りに近づくほどに美しい迫力ある景色が私の目の中で拡大されていった。

坂道の向こうにある景色を求めてずんずん歩く。

この場所もここから見える景色も思っていたよりもはるかに広い。

高台空の景色は圧巻だった。思わず深呼吸する。少し先にはすぐに崖があり、谷間の色濃い緑を見せている。
右奥のほうに先抜かしていった車だけではなく何台もの車が停まり、崖のへりに近い場所にたくさんの家族連れだろうかイエメン人たちが並んでこの美しい景色を見下ろしながら休憩なのかピクニックなのか、楽しんでいる様子。外国人はマイクと私だけで一時的に彼らの好奇心を含んだ目線を感じたけれど、必要以上に干渉してくるような人たちではなかった。

まさに 絶景

鷹を買っているおじさんがいた。動物が好きだったしこんな近くで見たのは多分初めてだったので興味を持ったけど、確かこれは勝手に肩に乗せてお金を取る商売だ!と思って挨拶を交わすも、しばらく断り続けた。でも結局肩に乗せられる。嬉しかったんだけどね。
その後、案の定写真を撮ろうと誘ってくるのでそれはお断りした。
これまでこのようなことでいやな思いをしたことがある。モロッコのマラケシュのジャマ・エル・フナ広場のサル使いだ。肩に乗せてしつこくいろいろ言ってきた。カメラのフィルムがないと言うとその後広場で見かけるたびに「フィルムは補充したか?充電したか?」と言ってきた不快なヤツ。
でもね、今回のこの鷹のおじさんはそんな感じじゃなかったんだよね。実際に肩に鷹を乗せた後少し話して、写真を撮れば?といわれたものの、お断りしてもさほどしつこくなく、料金を取られることもなかった。
写真を一通り撮ったマイクが近くに来た。おじさんは当然お金にならない観光客(私)から離れ、マイクのほうへ行く。マイクも旅行経験は豊富な人で説明するまでもなくこういった商売を知っているようだったけど、彼は思わず肩に鷹を乗せて写真を撮った。その後ね〜、請求されてました。ちゃんと払ってたけどね。
「メリ、大丈夫だったの?」
「写真、撮らなかった。」
「うん、それは賢いね。」
と、二人で笑った。

子供の鷹かな。
おじさんのターバンといい鷹といい、なんか景色に生える。

とても感動して景色を見ていると、あれ? 下のほうに家々の並ぶ村と羽部少し離れた場所にひときわ高く聳え立つ美しい建物がある。
ワディ・ダハールへ来た目的のロック・パレスだ!
この美しい景色だけでもかなり満足して、直接ロック・パレスに行かなかったことをラッキー♪などと思っていたけれど、この高台からロック・パレスを見ることができるなんて、さらにツイてる!


十分にこの場所を楽しんでマイクと二人、来た道を戻った。トラックに下ろされた場所に着いてロック・パレスのある方角へ歩き始めると、すぐに車が通りかかった。
私たちの目指す方向へ向かっているようだ。すぐに合図を出すと車は停まり、気持ちよく私たちを車内へと乗せてくれた。
5分ほど走って少しごつごつした坂を下って車が停まる。お金のことを、この状況−同じ方向へ向かうのに便乗しただけ−では、多分払わなくてもいいのだろうと思いながらどうしようか考えていると、運転手のおじさんは私たちを下ろすと、楽しめよ見たいなことを言ったのだと思う、手を振って去っていった。ありがとうございます。
道は全く舗装されてはいなくて土の道だった。でも東南アジアで感じる様な赤色だったり、湿り気のあるものではなく、薄い茶色の少し砂埃の立ちそうなくらいの柔らかな砂だ。
まだ私たちの目にはロック・パレスは見えていない。人の流れに沿って、近くにいた人に聞く仕草をすると方向を示してくれてそちらへと歩いた。
この小さな村を楽しむ間もなく、すぐ前にまさに大きな岩の上にそびえ立つ美しいイエメン建築が見えてきた。他とは群を抜くその美しさと高さから、それが間違いなくロック・パレスだとわかった。

美しきロック・パレス ワディダハール へ
サナアへ へ

正面の真ん中に見えるのがロック・パレス。