サナアへ





また何もない景色を戻る。
何もないけれど美しい景色に飽きることはない。
3日ぶりのサナアへ戻る。3日ぶりといってもその前にいたのはたったの1日だけだけど。あの美しく飽きることない人々の行きかう町にまた戻るのが嬉しかった。
最初の日に泊まったホテルは満足が行きながらも長く滞在するには価格と部屋の条件が気に入るものではなく、ホテルについてマイクに相談すると今マイクが泊まっているホテルが安くきれいということで紹介してもらうことにした。
一緒に乗った感じのいいお兄さんの運転する乗り合いタクシーは最初は人が十分にそろっていないながらもの出発だった。安いのに人数もそろわずで割が合うのかなぁ。
きれいな景色をマイクと二人感心しながら一緒に乗り合わせた人たちとの会話もはずむ。私は本を見ながら少しだけ話し、マイクはこれまでしばらく旅をしてきたアラビア語圏で得たつたない(?)語学力で、でもイエメン人とのやり取りはなんだか素朴で温かくて楽しかった。
乗り合わせた人たちに外国人は珍しいようで、これまでの人がそうであったように興味心身で話を聞いてくれたけど、髪の毛を隠さない外国人の女と男の二人連れはカップルにしか見えないようで、「友達」というけれど、男女間の友達関係が理解しにくい人にはそれはboyfriendやらgirlfriendでしかなくさっき知り合ったとはあまりわかってもらえなかった。
とても感じがよかったけど、一人の人が私に「彼(マイク)とはもう寝たのか?」と聞く。ようやく「友達」を理解しての言葉のようだったけど、その後の理解はどうやら私が娼婦と思っての発言のようだった。感じのいい人でも、それが定説なのだからしょうがない。
そのお兄さんは私の首を少し触った。ぞぞぞぞーやめろってば〜!
嫌悪感を出すとすぐにあやまった。
男女間の会話はもとより交友がない場所で、このように触ることはありえない。でも、私こそが全部ではないものの多くの女性が髪の毛も隠す国でいて足のラインのわかる(ぴったりじゃないGパンだけど)ズボンをはき、髪を見せているので人によって誤解を受けてもしょうがないのだろう。
イエメン旅行でこのような誤解を身をもって受けたのはこれとホデイダのホテルくらいだった。少ししかないけれど、それよりひどい目に粟ナ方のはひどい目に遭う確率が低くても運がいいからでしかない。どんなに気をつけてもだ。
疲れていたせいもあって少しうとうとする。マイクは少し爆睡していたっけ。
車の中ではたいてい誰かがガートを食べていて、何度か道端で売っているガート売りに車を止めて交渉している姿を見る。この車でも2〜3人がガートを口に世間話を楽しんでいた。
少し道がなだらかになったかなと思う頃、正面に大きな盆地(?)にある街が現れた。これまでの町とは大きさが違う。
サナアだ。
戻ってきた。
曲がりくねった山の道を行く。
白み帯びた家々が広い範囲に立ち並ぶ。改めてサナアがこの国の大都市であることを実感する。
建物が並ぶエリア、サナアの市内に入ると中に乗っていた人たちは一人ずつ降りてさらに進むことの繰り返し。市街地へ入る前に大部分の人が降りていた。
私たちが目指すのは新市街にあるタハリール広場だったけれど、そこまで行くタクシーではないので、この運転手さんにダッバーブ乗り場のハサバ近くで降ろしてもらうことにした。感じのいい運転手さんにさようならを告げて車を降りる。
これまでの町とは違う少し寂しいような都会の景色と、嬉しいような素朴な人たちの喧騒。ここから温かみの残るアラビアンナイトの世界サナアの旧市街の方へ向かう。
ハサバから向かったのはサナアの顔とも言えるイエメン門。ダッバーブを降りてイエメン門の脇に続く城壁に沿ってタハリール広場の脇にあるホテルへ連れて行ってもらった。この旅一番のあたりホテルだった。
今日は疲れてもいるけれど気持ちよく寝れそうだ。
すっかり都会に変わった
車窓の景色