マナハへ















最初は間違って行くことになった乗り合いタクシーのターミナルだけど、今度こそ無事に着くことができた。最初は感じの悪いと思っていた運転手のおじさんとにこやかに挨拶を交わし車を降りた。
途中でささやかながら嬉しい出来事。ダッバーブの中から外を見ていると2車線の道の道路ですぐ脇を後ろが荷台の車が過ぎた。ふと見るとそこには大きななんでしょう、大砲のような武器が乗っていて思わずじぃぃっと見ていると、その大砲の周りに乗っていた軍服姿のみんなが私の視線に気付きこちらを見た。あれ?なんだかこの人たち・・。昨日海を見に行くときに通り過ぎた警察署の人たちだった。嬉しくて、向こうもかなり嬉しそうにみんなが私に私も彼らに大きく手を振った。気持ちよくホデイダの町を後にできそうだ。
乗り合いタクシーにはすでに4人の人が乗っていた。みんなお祭りにあわせの帰省かな。回りの人たちに聞くとサナアへ行く人や隣の人はサナアへ出てからおととい私が通ったイッブへ帰る人などだった。私はサナアへの途中にあるマグラバで降りて景観が美しいというマナハへ行く。
残りの3人が集まるまでの間、私に割り当てられて一番後ろの窓際に座り、発車するのを待った。私側から強い太陽の日差しが当たり、皮膚がじりじりするのを感じるとともに、暑くなった。持っていたスカーフをかぶったけれど、黒でガラスを通した太陽光の強さはあまり代わらず、暑いまま。気付いてくれた隣の人が心配してくれる。外にいたおじさんも私の脇の窓にダンボールを覆ってくれて、ニッコリ笑ってくれた。出発までのがまん。車が出れば風が入るだろう。
しばらく待ってようやく出発だ。
この移動がこの旅で一番しんどいものになろうとは〜〜。
ターミナルを出発した乗り合いタクシーは私がいた大通りの整った景観とは違う、なんだか土臭さの残る町の裏道をしばらく進んだ。子供たちが遊んでいたり、人の生活が身近に感じる空間だ。どことなくモロッコで訪れた田舎の町を思い出した。
私の左横に座る二人は友達のようで、とても気さくで大して言葉は通じないまでもすぐに仲良くなった。
乗り合いタクシーの出発を待つ
乗り合いタクシーステーションを出発
ホデイダの町の裏道
マナハへ行きたい理由は高地にあるために生まれる景色の美しさを見るため。ホデイダからの道もどんどん高度を上げていき、すぐ外に見える景色はとても楽しかった。
でも、出発のときに暑さを我慢していて、出発後には風が車内に入る妥当と期待していたけれど、暑いのよアツイの!でも、私の前に座った人は乗るなり窓を上までしっかり締め切ったの!
走り出したら日の当たる方向も変わるかなと思ったけど、またこれがずっと私に日は差し続ける。長袖を着ているし、日よけの黒いスカーフもあまり効果なく、何度となく持っていた扇子で扇ぐも汗が首から滴り落ちるくらいに暑かった。
私の様子を見るに見かねて何回か隣の席に座るお兄さんたちが私を心配して前の席のおじさんに開けるように頼んでくれたけど、おじさんは全く聞く耳を持たなかった。私の息が荒くなり始めた頃、強く言ってくれたお兄さんにおじさんはやむなくほんの数センチ開けてくれたけど、全く風は来ず。自ら窓のすぐ脇まで口を伸ばして外の空気を吸うような状態だ。
道は高度が上がるにつれて次第にくねくねカーブが増える。お兄さんたちと話をしていたけれど、どんどんそれどころじゃなくなってきていた。
我慢して我慢して、もう少しすれば、着くはずと言い聞かせる。だって到着予定時間はもう1時間近く過ぎていから。
でも、限界でした。何度も着た吐き気をこらえて持っていたアラビア語会話のための本のトラブルのページを開き前のおじさんに見せた。それは
「吐き気がします」の一文。
これまで頼んでも全然聞いてくれなったおじさんがあわてて車を止めるように言ってくれた。
山の途中で車は止まりみんながあわてて私を外の空気に当てるべく動いてくれる。
這い出るかのように外に出て深呼吸をした、と思ったら嗚咽が来て一気に過呼吸が始まった。過呼吸の苦しさのせいかすぐに涙がどばーーっとでて、改めて自分の体調の悪さを実感。昨日の熱射病(?)はやっぱり治ってなかったのよね。そして、食べていないから元気も出ず、おかげで吐かなくてすんだけど。
周りを乗り合わせていたお兄さんたちにおじさんたちが心配げに見に来たり、落ち着くのを見計らって声をかけてくれた。
過呼吸には何度かなったことがあるので、対処法はすぐにわかっていた。少し落ち着き始めて立ち上がると、みんなが私を一番前の風通しのいい席に座らせてくれて、私の様子を見た跡で出発した。
過呼吸の後の症状、「無」の時間が続いた。自分が静止したかのように周りが勝手に動いていく。風に揺られて涙も乾いた。
ようやく普通の呼吸に戻り始める頃30分ほど乗っただろうか。車が小さな町で停まった。誰が降りるんだろう。と顔にかけていたスカーフをあげると、どうやらそこはマグラバ。降りるのは私だった。
心配してくれたお兄さんたち(まだ、私を心配そうに見つめてくれていた)に大きく手を振り、
「シュクラン(ありがとう)!」と叫んで車を見送った。
ぽかーん。
ぽつんと取り残された気分。体調不良がなんだか不安にさせてるのだろう。
気分を入れ替えなくちゃ!
「マナハに行きたいんだけど!」
すぐ近くにタクシーが停まっていたので声をかけてみると、それはちょうどマナハまで行くタクシーだった。人はまだ、集まってないようだけど・・・。まぁ待てばいいか。少しマグラバの町をぐるりと見回し、タクシーに腰を下ろした。
旅行者の一人旅のアジア人の女=私を少しものめずらしげに子供たちが回りに集まってくる。もの珍し気と言っても私がここから向かおうとするマナハは旅行者がちょこちょこ訪れる場所。英語の通じる子供と話をすると、今日もついさっき日本人の観光客を乗せたバスがここを通ったばかりだという。
まだ子供とも取れるほどの男の子がしばらく待つ私にバイクだったらすぐ出発して安く行けると教えてくれた。実はバイクの存在は少し前から気になっていたのだけど、これからの道の状態がわからないのと、何よりまだ病状?のためおとなしく車に乗ることにした。
なかなか人が集まる気配はなく、結局乗り合いタクシーは半分の人数で乗客の私は悠々と座り、マナハまでの道を楽しめたわ。確かに、さらに高度をます景色はどんどん広い景観が私の眼下に広がり、とても美しい。約15〜20分ほど曲がりくねった道を乗った頃、町の入り口らしき場所を通過した。
「マナハだよ。」
これまた誠実そうな感じのいい運転手さんがそう言う。降りようとすると、乗り合いタクシーのステーションはさらに先のようだ。町の中心はその周りだそうだ。さっき待っている間の思いつきで、マナハからさらに20分ほど先にある石積みの美しいハジャラを見に行くことにしていた。ステーションの周辺でハジャラ行きの車も見つけられそうだ。
今日サナアまで行く話をすると、今私が乗っている車で、運転手さんはしばらく後でサナアまで走らせるという。ここまでの値段から価格交渉をすると明らかに明らかに、安いの。日本人ならここで「じゃあ○○時に」と約束するところだろう。お兄さんは
「しばらく後にここにいるから。声かけてね。」
いいね〜こののんびり加減♪
少し歩いた先で荷台にたくさんの人が乗り合わせている車を発見。
「ハジャラ?!」
聞くと荷台に乗っていたお兄さんたちがみんなでうなずき、乗るように促してくれた。
「いくら?」
荷台からは景色が一望できるから、人がぎっしり立っていても荷台に乗りたかったが、運転手さんが助手席が空いてるから乗るようにと指示した。高いので(って言っても少しだけど)不服を言ったけど大して時間もないし、まぁ、いいかと乗る。
出発してすぐ、マナハの町をまだ出ていない場所で、道が がっくんがっくん!車を揺らすほどいびつに穴を開けていた。ああ、これは荷台はこのリュックを押さえながらじゃしんどかったかな。まだ荷台乗りのアマチュアだからね。がっくんがっくんは長く続かなかったけどね。
ホデイダとサナアを結ぶこの幹線(?)にぽつんとおろされる。
かわいい子供たちと、
子供たちを並べる運転手のお兄さん。
切れちゃってごめんね
あ!これが!
美しいといわれる段々畑だ。
助手席から荷台のお兄さんたちを撮ると笑ってくれた。
マナハから今からの目的地ハジャラを臨む。
頂上にビル郡のようにたたずんでいる。

しばらく車で来た方向を見れば、マナハの町
だんだんハジャラの高層ビルが近づく
しばらく進むと美しいと言うマナハの景色はさらに美しさを増す。マグラバから来たときに見る景色よりも断然美しい気がする。一方で前に控えるハジャラの町は近づくごとに私が思っているよりも大きなビル郡であるとわかってくる。
車だったら、あと2分くらいかなと思ったところで停車した。
すぐ右の脇には道があったので、誰かが降りるのかなと思って待っていると、降りるように言われたのは私。みんなが右の奥にある側道へ行く人たちだったのだ。
お礼を言って走り去る人たちに手を振り歩き始めると歩いて感じる景色は空気がおいしく感じるからか、なおきれいに見えてくる。
私を降ろした車は乾いた砂を舞い上がらせる高台の道を走り去って行った。
すぐ着くさ、そう思っていたけれど、以外に。。遠いってば〜。
確かさっきまで私は苦しくて涙を浮かべていたはず。なんでこうな高地でバックパックを背負ってひぃひぃ言いながら歩いているんだ。
昨日やおとといとは違い、私はまた高地に戻ってきている。少しだけ涼しい風を感じる。でもね、昼は暑い。リュックを背負って歩くからなお、暑い。
10分以上歩いたと思う。町?村の入り口だ!
でもなんだか、思っていた、遠くから見ていた雰囲気と違うけど。とにかく散策開始。
段々畑の先にあるのがマナハの町。
ようやく手の届きそうな場所に、これがハジャラ?