イッブへ














イエメンに到着した日まで、どちらの経路で旅をするか考えていた。日本人旅行者に人気の北の町シャハラへ石橋を見に行くか、それとも南の町々をいろいろと見て回るのか。
それを決めたのはささやかな二つほどの要因。その一つが1泊目に宿泊したサナアのホテルで、従業員のお兄さんがイッブへ里帰りするということだった。私はシャハラへ行かないのならば西の町へ向かい途中のウィークマーケットを楽しむつもりでいたのだけれど、こんな機会もあったからいいか、と逆周りにイッブ方面から始まるの旅を決めた。
正確にはイッブよりもそこから経由していくジブラに興味があったのだ。イッブ、見る価値はあれど時間がないから断念となる感じ。
お兄さんとうまくやり取りをするタイミングを逃し、そのそっけなさから夜には、ああ明日はもう一緒に行ってくれないのか、と思っていた。しかし翌朝、共有洗面所のドアがノックされ
「もう行くよ。待てないから、早く来い」
「5分かかる!」
「待てないよ」
その言い放ったようなセリフにもう行ってしまったかと思って部屋でのんびり今日の観光を改めてどうしようか考えながら準備していたら、お兄さんが急な階段を登ってまた来た。
「まだか?!」
「行ったんじゃなかったの?!」
「下で待ってたよ!」
ああ、そうなのか〜。
メリ、あわてて荷物を詰め込むと、他の従業員の人(thanks!mickel!)に1泊代の料金を払いあわてて足早にお兄さんについていった。その先には1台のワゴン車が止まっていてすでに中には運転手を含めて5人の人が乗っていた。ひゃ〜〜
「お待たせしてごめんなさい!」
みんな同じイッブの出身者で今回はみんなが帰郷ということだ。イエメンはイスラム国。2日後はイスラムの特別なお祭り犠牲祭が控えている。今回は乗り合わせていたお兄さんがアラビア語の先生だった。外国人にアラビア語を教えているのだ。彼の学校もお休みで、今回は事故を起こして車がない運転手さんが今回学校から借りたこの車を運転するそうだ。
いざ!車は出発!
始まりは6人だったけど、車は同じ様な乗り合いタクシー乗り場で運転手さんが大きな声を張り上げて足りない人を集めていた。人数が集まらないと元が取れないからね〜。
乗り場はすごい人だった。首都サナアで働く多くの人が帰省する。
「犠牲祭の当日にはサナアはいつもと全く違った静かな街になるんだよ」
そうなのか〜〜
そのため乗り合わせる人は容易に見つかりちょっとぎゅーぎゅーな車内といつもより倍以上込んでいるというイッブへの道を車は快調に走り出した。
でもね、30分で休憩だったのよ〜。
日本ならみんな食事も済ませてくるだろうに、休憩って行ったらしばらく走ってからでしょう。しかしここではこれが普通。なんとも楽しいじゃないですか。
同じ経路の途中でたくさんの人でにぎわう食堂に入りお兄さんとアラビア語の先生のお兄さん(以下先生、おふたりとも!名前覚えてなくてすいません!)に連れられて、メリもそれは目立つ髪の毛を出した異国の助成として一人参戦!もとい、入館。かなりのかなりの注目でした。髪の毛出してるだけで注目よね。
スカーフ持っていたのだけど、でもね〜、服装が長袖シャツにGパン、これに黒いスカーフも注目度は変わらないと思ってつけてません。隣には現地の人もいるからね。
言われた席で待ってるとチャイ担当の人がチャイをくれ、お兄さんたちは料理を持ってきてくれた〜。なんとも庶民な感じのたまらない空気の中で温かい食事をいただいて旅の気分がさらに増す。
改めて!スタートです。
道のりは先生がメリの隣でずっと話をしてくれてました。日本にも興味を持ってくれていろいろ話も弾み、周りの人へもふたりの会話・日本のことを訳してくれたりと、楽しい旅路。
話のよそに、サナアを離れて1時間半ほどすると感動する景色の始まり始まり〜
これまでいろいろな旅行で見てきたのとは明らかに違う景色。高い山々の高い場所を曲がりくねった道が走りそこを進む道のり。
はるか下に見える村々に、そこへ至るまでの段々畑と所々に存在する人々の生活の場所。
思わず声が出てしまうほどきれいな景色だった。
イッブの周辺は別名「緑のアラビア」 冬の今は土の色が目立つ景色も、「夏には全てが緑のじゅうたんをひくんだよ。」と教えてもらった。
「あなたたちの町はステキな町なのね。」
そんな私の言葉にお兄さんたちは嬉しそうに誇らしげに大きくうなづいた。
「そうだよ、メリ」
朝食の休憩で寄ったレストラン(右手)
緑のイッブへ行く乗り合いタクシーは緑のライン
レストランの入り口で肉をさばいていた兄さんたち
途中水を買った店。ぽつんとあった。
道の途中何箇所かでサボテンを見かける。
夏に来たらおいしい実が食べれるだろう。
途中の景色。この後から
高い場所にある道が始まった。
こんな景色がしばらく続く。贅沢な景色だ。
遠くに見えていた城跡だろうか、町とともにどんどん近づく。
ホントに山のてっぺんにある。高い場所を通る道路。
向こうには山、さらに山々が続く。
道の途中、高台に家が・・。
どうしてここに居を構えたのだろう。
写真好きなイエメン人たち。
休憩らしい。道を挟んで向こうとこっちに店が並び活気があった。楽しい空気だ。
町並みの写真を撮っていると私に好奇の視線が浴びせられいつの間にか何人もの人がまわりにいた。とても無邪気におじさんが「写真を撮ってくれ」と言う。
撮って上げると今度はまた何かを言う。隣にいた先生が教えてくれた。
「写真のお礼に君をおうちへお茶に招待したいんだって」
出発までは思ったよりも時間があった。
私は後ろの方の席に座っていたのだけど、隣の先生がなぜ?運転席に座っている。
「よかったら隣に座る?景色がきれいだよ」
言われるままに一番前の席。運転手さんは体調不良で先生が交代したらしい。いいのね、それ、笑
でもでもでも〜、明らかにおどおどした運転の先生。車、あんまり運転したことないんじゃ・・・。
止めていた車を出すまでも時間がかかったけど、それからもたくさんの車に抜かれる。確かに私が一番先生の運転を心配に思っていたかもしれないけど、絶対みんな心配してたってば!じ、事故らないかな?って。
後からお兄さん聞いたフォローは「彼はトラックしか運転したことがないらしい」
う〜む、これより大きいものの運転ができるなら・・・
そんな彼の運転もしばらくのことだった。
少し先で飛ばしや運ちゃんが、連絡されてだろう待っていて乗り込む。先生の後では速さと腕前は倍増に見える。
休憩した町で。お気に入りの一枚。
イッブまでは3時間強の時間を要した。3人で降りて挨拶を交わし、先生は気持ちよく去って行った。
私はお兄さんがこれから目指すジブラ行きのダッバーブ乗り場まで連れて行ってくれる。そこからさらにダッバーブに3分ほど揺られて着いた。
お兄さんがなんか飲むか?と言ってくれてお言葉に甘えてコーラを買ってもらった。お兄さんが買いに言ってる間にお礼がしたくて、リュックから扇子を出しているとき、ポケットに入れていた財布を捜すと、一つはあった。イエメンリアル用のもの。
でもでも、片方のポケットに入れていたドル用の財布が、なくなっていた。え?え?えぇぇぇぇ?何度も自問自答する。かばんの中やいろいろを探す。でもない。
なくしてしまったのだ。ポケットは上着の下になるためにすられることはない場所だったし、反対の財布もポケットから出かけていたあたり、座ったり経ったりを繰り返しているうちに、動いてしまったらしい。
これまで旅してきて落としたことなかったんだけどなぁ。太ったせいでズボンがきつくなったせいもあり?
とにもかくにも、ドルをなくしたんです!私の中では大騒ぎです!表面は焦りを少ししか見せなくても!
イエメンでのホテル代全額くらいだもの!ショックですってば!
どうにか自分を励まして気分を変えることにする。
親切にしてくれたお兄さんに事情は話したもののどうしようもないこと、案内してもらったダッバーブに乗り込み、お礼を言ってお別れをした。
あああああ、凹みます。どうにか気分を変えなくちゃ!サナア発の旅の最初の町じゃないの。楽しみにしてるジブラじゃないの。
この紛失事件気持ちがすっかり収まって諦めの着いた数日後に、改めて私の中で再燃した。入れていたお金がなくしたと思っていた金額の倍以上だったことに気づいてしまったのだ〜〜(T
T)
それは最終的にイエメンで使った必要経費と同じくらいだったの!安くおさめたからすごい金額じゃないけどさ、それはそれは予定外の(当たり前だけど)、痛い出費でした。お金落としたことなんてなかったんだけど〜。
盗まれたんじゃないの〜なんて思う方もいらっしゃるかもしれないけれど、ほんとに盗難などといった犯罪は少ない国なんです!イエメン。状況的に自業自得の紛失としか考えられないんです〜。
ああ、これが占いの大殺界で一番旅行を勧めない年ということなのでしょうか。いや、そんなはずは・・・。
イッブのダッバーブ乗り場
左:ホテルで働いていたお兄さん
右;イッブまでの旅、相手をしてくれた
アラビア語の先生をしているお兄さん。