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ホデイダへ

ホーハの村を見終わると、ドライバーのおじさんはバスステーションまで送ってくれると言う。私が到着したのはあくまで村の中まで入ってくるトラックだっただけで、普段はこの村のはずれにあるステーションが村を行き来するための拠点であるらしい。歩くには距離のあるステーションまでバイクの後ろで気持ちいい風を味わった。
ここから私は幹線の途中にある近くの町ハイスを経由して、北上し、港町ホデイダへ向かうのだ。
私が到着したときに1台のワゴンが停まっていた。ハイスへ行くという。私は乗りたい旨を伝えて近くの日陰に腰を下ろして乗り合いの人数が集まるのを待つことにした。待っている私にバイクのドライバーのおじさんは気を使って、どうしようかな、と言う感じだったので、「戻ってください」と「さようなら、ありがとう」を伝えた。
大きめのワゴンには私とすでに先に待っていた一人の人、ドライバー(ふたりいた、片方は友達か?)を含めてもあと6人必要だ。私が残りの人の分全部払えばすぐに出るんだけどね。高いですそれは。それでも日本より安いか。
しばら〜〜く待っても人はひとりしか増えず。
そんなところに後ろがワゴンになった乗り合いタクシーが姿を現す。こちらの方がワゴンよりも必要人数が少ないため多少高くもなるが、早い。
「どこへ行くんだ?」と聞かれ
「ハイスへ。それからホデイダ。」
先にワゴンを待っていたので、ワゴンのドライバーさんたちに申し訳ないかなと思うと、ワゴンの人から
「こっちのほうが早いよ。」と、
言ってくれるではないの。優しいわね。まだ、人は集まっていないけど、乗り合いタクシーで行くことにした。
運良く少し待つとこれまでしばらく待ったのがうそのように、すぐに人が必要人数になり、出発することになった。ワゴンのお兄さんたちにも挨拶をする。
何もなさそうなハイスをちらっと見て乗り継ごうと思っていたら、隣に座ったおじさんは同じくホデイダへと行く人だった。そして、このタクシーはこのままホデイダまで行くらしいのだ。
「ハイスか、ホデイダか。どこへ行くんだ?」
ハイスは見たかったけど・・、「ホデイダ!」
「よし、一緒に行こう。」
イエメン人の面倒見のよさだけじゃなく、警察官というお仕事柄だろう、おじさんは私を気にして声をかけてくれたのだ。

同じホデイダまで行く人と隣になったこともかなりラッキーな私だったけど、見晴らしのいい、一番前の窓側に座れたこともかなりのラッキーだった。ハイスの町には寄れないけれど、これからいくつも過ぎていく町の様子がすぐ横で見れるから。

ホデイダのステーション。ここから乗り合いタクシーに乗る。

ハイスへの道のりで見えた向こうにあるハイスの町。
タクシーのボンネットに、大きなアンテナが付いていた。

←↑ハイスに始まりいくつかの人がごった返す町を通り過ぎる。
明日に控えた犠牲祭がより人ごみを作っているのかな。

タイズからの道のりも窓際だった。ホーハヘはピックアップトラックの後ろ。
今日は間近で景色が見れて嬉しいな♪なんてのは甘かった。
日本の冬の寒さからサナアの少し冷え込む夜を過ごし、昨日からは少しだけ暖かな気候。それが今日になってなんて、暑いのかしら。イスラムの国なのでもちろん長袖の服を着ている。だから体の直射日光は避けてるんだけど、顔にしっかり当たるし、重い荷物との移動で暑さが増していたのだ。
すっかりほてった顔を窓から入る風にさらす。
顔を出すと風が当たるけれど、日も当たる・・

暑さに長く感じた道のりの先に大き目のゲートが見えてきた。ホデイダだ!入り口のところでタクシーが止められて警察が中を見る。外国人の私に何かを話す。
「シヤーヒヤ(観光)」
と答えて、パスポートを出すと、ビザを確認してすぐに通してもらうことができた。
ホデイダだ!と思ったものの、この門から味気ない道をさらに進み、さらに進みようやく人が暮らしている空気の漂う町の中に入ったことを感じた。
それと同時にこの必要以上に広いキレイな道が、ホデイダと言う町の大きさと新しさを物語っていてなんか寂しい。私の好きな旧市街の空気はこの大通りには漂っていなかったから。


大通りの途中で、タクシーは止まり、隣のおじさんにいざなわれて私も降りる。
ホデイダでの行き先はホテルがいくつか立ち並ぶ市民公園前。それに対して降りたのは公園までは大分とあるターミナル周辺だ。
おじさんは少し義務のように私に行き先を聞くと、一緒にダッバーブを広い私の分まで支払ってくれた。どうやら私を送り届けるまでを仕事のように感じているらしい。
ダッバーブは少しいつもならきっともう少しは人が歩いているのだろう祭りを明日に控えた少し寂しい大通りを勢いよく進む。歩いてもいいかと思ったけどちょっとそれはムリそうな距離だった。
なんだか体が火照り、頭が熱っぽい感じになっていた。早くホテルに入って落ち着きたい。体を横たえたかった。
公園前に着くとおじさんは仕草で「どうするんだ?」と、少しめんどくさそうに示す。きっと行きたい場所はもう過ぎたんだろうね〜。ごめんねぇおじさん。
「ありがとう。ホテルへ行きます。」
ほっとしたおじさんに別れを告げて、予定のホテルへむかった。
さっきまで普通に背負っていたリュックがかなり私の歩みを妨げる大きな荷物になっているのを感じた。

最初に入ったホテルはけっこうキレイ。
部屋は窓がないけど、まぁいいか、と思える程度。でもさ「お祭りだから」と出された値段は軽く予算をオーバーしていた。ここでもまた持っていた『地球の〜』の本よりもイエメンの価格は上がっていて、予算オーバーは覚悟しなくてはならいようだ。
「ほかを見て、安いのがなかったらまた来ます。」
確実に、熱があった。息も上がっている。熱射病になったらしい。
本には紹介されていないけれど隣にあったホテルに入って値段を聞く。部屋は小さな北向きのバルコニーとその前に公園が見える。さっきよりも少しぼろい感じはするが広くて何より少しだけど安いのでこの宿に決めた。

熱が苦しくて肩で息をしていた。
とりあえずしばらく横になろう。

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