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sanaa

岩山にへばりつくように作られたスラの町。
入り組んだ坂のある町をぶらりと歩き回り
昔から変わらないだろう、景色をのぞく。
のんびりと観光というより散歩する。

町の入り口、ゲートをくぐってすぐの広場。

 

スラーの町に近づくにつれ上に伸びた岩の高さが間近に迫ってきた。こんなところにどのように町が作られているのか。
緩やかな傾斜をしばらくくねくねと上った先に急に店の並ぶ界隈が現れる。ここがスラーの町の入り口だ。車はここで停まった。今回はヒッチハイクでもタクシーとして走っていたのかちゃんと料金を支払う。
この商店の並ぶ人がものや情報をやり取りする空気は他でもありそうな感じなのだけれど、そこから先にある雰囲気はスラーならではのものだと思う。たくさんの人の集まる先にはまさに入り口、脇に監視の人が配備できそうな建物のついた門があり、そこをくぐって、私が見に来た「スラー」がある。この門の手前から中へ抜けたとき少しだけ時代をさかのぼったような感覚に陥る。
暮らしている人はこの門の中で暮らし、門をくぐり外界へ出る。まるで、古きよきを楽しみ、必要なとき現代を使うみたいだ。

中とは違ってたくさんのタクシーが外界への足として待つ。

背後にそそり立つ岩山が
町の表情を厳しく見せている。
スラーの入り口の門。
歩く人たちの衣装がさらに時代を倒錯させる。

門をくぐるとすぐに大きな広場がある。いくつかの道がこの広場に集まっているようだ。私は一番、といってもたくさんではないけれど、人が流れる方向へと歩いた。それは左奥、さらに先には岩の崖がある。その崖のふもとまで歩こう。
他の町でするのと同じに散策を始めた。

茶色い壁の隙間から
いつもよりも近い空が見える。

分岐点に差し掛かると
頭に荷物を載せた
黒尽くめの女性。
町の趣が増して見える。

少し歩いて開けた場所からは、
美しい見晴らしが開けていた。
あの高台、カウカバンだろうか。

サナアともまた違う
古さのあるスラーの町は
味がある。

迷路のような町を
奥へ奥へと歩いていくと、
ふいに現れた隙間から
厳しくそそり立つ岩肌が見える。

時折くぐる小さなトンネル。
その先に目をやると、
高地の乾いた強い日差しが
さらに私の目に刺さる。

特徴を持ったスラーの町にはやはり観光客も押し寄せているようで、町に入って少し歩いたどうやら大通りには、ぽつりぽつりと観光客相手のおみやげ物やさんの姿もある。ただ、シバームやカウカバンほどの観光客はないようで、のがさないぞ、とばかりに少しだけしつこく店の主人に捕まる。最初は昼休みだからか犠牲祭の休暇中だからか閉めていたお店を私を見るなりわざわざ開けて見せてくれるのだ。
私の旅はバックパックを背負ってはいるが、すべてケチケチしたものではなく、たまの休暇を楽しむものなので、多少の節約はするものの買いたいものがあれば買う。
だからなんかいいものがあったらなとお店をちらりとのぞいた、ものの残念ながらここには私がピンとくるものはなくて退散。少し先の親父も見て見てと、自分のお店に呼ぶが同じような品揃えでお断り。
少しだけの観光地化がされいる感じだ。

歩いていると背後から パッカパッカパッカ
石畳に響くロバの足音がする。
振り返ると少年が白いロバを操って
私の横を通り過ぎる手前。
急いでカメラを構えると、
少年は少し照れて笑いながら
手綱を引いてポーズをとってくれた。
まだ少年と思しき彼だけれど、
すでに彼のおなかには、イエメン男性の
証ともいえる短剣ジャンビーアが
その存在を主張している。

ロバが一頭静かに木陰にいる。
周りには、ロバの踏んで作ったのか
なんだか丸く平たいもの。
何に使うものなんだろう。
人も語学力もなく聞けずじまい。

迷路のような町でひとつの目印は
建物の間から見える岩の壁。

町の端っこで荒れた建物をよじ登ると
一気に景色が開けた。
高台から見えるのは広い平野と遠くの岩山。
すぐしたの家から庭へ出てきた人と目が合った。
「アッサラーム・アレイクム」

ロバを連れ、私と目が合ったお兄さんは
挨拶をしながら去っていった。
のどかな町で早歩き。
どこ行くんだろう。

冬の乾いた時期でも
何度も見た花。
ここでは白の小粒な花。

町の端、岩山の裏へ行く道を探して
さっきとは反対側まできた。
この先は細い道。町はここまでだった。

町外れから。
雲が、空がやっぱり近い。

狭い路地が迷路のように
入り組んで町が作られている。

一通り街を見たところで、他で見たようにまた細い路地で子供たちが無邪気に遊んでいる姿を見かけた。近くでは大人も腰を下ろして子供たちの遊びに興じる姿を見ながら話をしている。このほほえましい光景に思わずカメラを構えたけれど、それに気付いた子供が大きなそぶりで叫びながら近寄ってきた。
「カラムカラムカラム!」
カラム、ペンのことだ。他の子供たちも遊びながら同じように叫んでいる。
誰か前に訪れた旅行者があげたのだろう。彼女はただそれをまた欲しくてそう叫んでいるだけだ。
「ラ(No) ラ(No)」
そう答えても、ない素振りを見せても
「カラム!」
「カラム!」
一人の女の子が納得せずにずっと私の横で手を出している。困ってしまった。困っても私はただその場を「さようなら」と過ぎるしかないのだけど、この静かな空気の町で最後にやけに観光客ずれした子供にゲンナリ。
それでも、彼女のような存在を作ったのは観光客であり、ゲンナリするのは私の勝手にイメージするこの町との違いのせい。少女は欲しいから、くれそうな人にお願いしただけのこと。

建物と建物の間の空き地に1頭のロバがつながれていた。
静かに私を見ている。
少し離れて振り向くと、ロバの後ろにさっきは見えなかった
建物の間の向こうに崖が見えた。
ホントにすごい地形に作られた町だ。
多くの争いからこの町の人を守ってきたのだろう。

カメラを向けると、
少しだけ背筋を伸ばした
イエメン人のおじさん。

厳しくも奥行きのあるまなざし。
でも写真を撮ってから、
みんな微笑んでくれた。

入り口を入ってすぐの広場で。
雲が迫っている。
味のあるトラックが並ぶ。

乗り合いタクシーを待つ間に。

大きな岩山ノ下にあるのがスラーの町。
どんどん遠ざかる。

予定外のスラーで予想以上に時間をとってしまった。この日私はイエメン人の友人と会う約束があった。特に時間は決めていたなかったけれど、午後少ししたら空くという彼に、すでに時間は夕方に近づいている。早くサナアに帰らなくては。
気持ち少しあせりながら乗り合いタクシーに乗った。
でも、これまでがそうであったように、乗り合いですから、みんながそろうまで待つ。またここでも、私が乗ったのは最初から数えたほうが早い3人目。
待っている間に抜け出してサナアの友人に電話をして約束、一安心。
それからはすぐ脇のお店でお水を買ったり気持ちに余裕が見えてきた。
でも友人と会えることでウキウキわくわく。

サナア行きの乗り合いタクシーで、途中乗車してきた親子。
最初は恥ずかしがってカメラに収まってくれなかった少女。
大きな目が 美しい。

★準備中★
スラーへ へ

車内からふと前に目をやると
前の乗り合いタクシーのトランクには
なんとも居心地よさそうに
3人の少年の姿。