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新しいこの街にあるのは
他の国の小規模な都市と変わらない
近代的なコンクリートの町並みだった。

でも、節々でイエメン人のかもし出す
優しい人との距離感を感じる。

1. 紅海の港町ホデイダ1

2. 紅海の港町ホデイダ2

着いてすぐにチェックインした部屋で少しだけ休んだけれど、ゆっくり観光をする予定のない通過点とはいえ、せっかくの町を見ないことはもったいない。明らかに熱が出始めていたけれど、熱は今夜寝ればひくさと高をくくって近所の散歩へ出かけることにした。

まずどこのホテルへ入っても最初にすること。ホテルの屋上へ登る。少し高台から見ることのできる町の景色が、好きだから。ホテルは4階建てに屋上。屋上には以前レストランだった部屋がすっかりほこりをかぶった荷物置きとしてあった。
たいていのホテルは屋上は開放しているものの、ホテルの洗濯物干しであることが多い。時間によっては洗濯物をかいくぐって美しい景色を求めて東西南北、それぞれの方向へ足を運ぶ。
ここのホテルでは通りに面した側には眼下に市民公園と先にホデイダの町。景色が見えるもう一方には何十かに立ち並ぶ低めのビル郡の先に水平線までも目にすることができる今日2回目の紅海があった。
海までは少し歩かなくてはならないけれど、改めてみた紅海に体の重さとは逆に気持ちはわくわくフットワークは軽かった。いつものバッグを提げてホテルを出た。
日が沈みかけている。紅海に沈む夕日が見たい。間に合うかな。

ホテルの前の市民公園。写真右奥のお店は
深夜でも電気がついて何人かの人がいた。
お酒は飲まないけど・・バーみたいなもの??

海側の景色。夕日の光がまぶしい。
それは光そのものもだけど、
海への反射で光が増幅してるから。

いろいろな高さ形のビル郡の先にはそれと相対するかのように、
静かでまっすぐな海がある。

ホテルの前にある市民公園。
なんだかデザインがイスラムの幾何学的に
思えてきてしまうのはそれを意識するからよね。

バッグの中にはもちろん地図のある『地球の歩き方』。地図で見る限りはそこまで遠くないのだけれど、以外に以外に距離があった。それはきっとなんだか社会主義のように無駄に?広い道路と味気ない町並み、そしてきっとお祭り前で人気が少ない町の空気が退屈で好奇心をくすぐってくれなかったからだとも思う。数件並ぶホテルにお店を過ぎたらすぐに大きな何もない通りだったんだもの。
歩いて5分弱でインターネットカフェを見つけたので帰りに寄ることにする。
人気のない通りで日も翳り始めた時間なので少しだけこわいなぁなんて思っていたらさらに5分後くらい、建物の入り口に作られた屋根つきのベンチに何人かの男の人が座っている。着ているのは迷彩柄の服。
「アッサラームアレイクム〜」にっこりと手を振ってあいさつすると、いかつい顔のお兄さんにおじさんたちもかなり親しげにみんなが手を上げて挨拶してくれた。
「アッサラームアレイクム!」
本で調べて聞く「ここは警察?」
「そうだそうだ!」
みんなが私の一挙手一投足に興味を示し発する言葉を楽しそうに聞いてくれて、しばし話込む(話し込むほど話していないけど・・・単語を調べてばかり)。途中、警察署(?)の中からいかついごついおじさんが出てくると、みんながほんの少しだけ姿勢を正す。どうやら上官のようだ。
話しててまずいかな、と思ったらお兄さんの一人がにこやかにおじさんに私について話している。そして私にも、力こぶを作ってこのおじさんが強いんだよ!と教えてくれる。このおじさんもお兄さんたちと一緒だった。気さくに私に笑いかけて口を開いた。
「アッサラームアレイクム!旅行者か?ようこそイエメンへ!」
親しみやすい人たちのいる警察署がホテルからさほど遠くない場所にあってなんだか少し安心できた。
お兄さんたちの一人になんだか見慣れたような顔の人がいた。なんでかというとお兄さんの顔ほかの人よりヨーロッパ系というか、トルコ人そのものだったから。私の彼に似ていたわけじゃないけどね。この人の家系には歴史の中でこの地に骨を埋めることになったオスマントルコの人の血が入っているのだろうか。

警察署を過ぎてさらにしばらく歩いてようやく地図上の目印の公園が正面に出た。その向こうにはスークがあるというけれど、今日は閑散としている。ふと女性の姿が合った。多分彼女は外国人。色のある服を着て、スカーフを巻くことなく颯爽と歩いていて、土地になじんでいるさまはここに暮らしそして仕事帰りのようだった。自分のほかにこんな人気のない時間にスカーフなしで歩いている女性を見かけて少し心強くなる。
公園から曲がると正面に堤防が見えてきた。海だ〜。けっこう遠かった〜。

目の前に現れた海は昼に見た自然の海とはまた違う、私にとっては少し存在の近い海。整備された海岸線越しに見える海の姿。
曇った日の薄暗い海岸のプロムナードに等間隔で設置された柔らかな光が少しロマンチックに景色を彩っている。
ロマンチックな散歩道にはおじさんにお兄さんと男性の姿ばかりだったけどね。

私も一人この道を海に沿って歩く。風が気持ちよくて体調の悪さをしばし忘れることができた。
ベンチに座る人やすれ違う人が私をちらりとものめずらしげに見る。
「アッサラーム」あいさつをすると
「アッサラーム」にこりと挨拶返し。

海へ沈む夕日は日々の営みでありながら毎日誰かが時を忘れ眺める景色。
世界のどこかで鮮やかなオレンジ色を目に映し、柔らかな顔を見せる。

ゆるやかな海岸線は遠くまでも見渡せる。
海岸線だけを見たらどこの国かわからないね。

ギリギリ間に合った海岸線にわずかばかり見える温かな光。

堤防の下の海岸にはたくさんの犬にネコが暮らしているようだ。大人の犬や猫の姿もたくさんあったけれど、それ以上にまだまだ小さい子犬に子猫が何匹もいて無邪気にじゃれあっている姿がとてもかわいかった。
ひとしきり水平線に沈んでゆく夕日を見た後の楽しみはこのかわいい子犬に子猫だった。どこの国でも代わらない景色。イエメンを訪れるまで、これまでとは異なった空気が流れているだろうこの国に憧れながら、どこか「『アラビアン・ナイト』の世界」という言葉から、私の日常とは多きく違う、首都サナアの旧市街の景色に代表されるようなものを思い描いていたけれど、この国も自分の足で踏みしめてみると、私にとって身近な国。でも、時折見せる町の色や屈託のない人の笑顔が、一番は圧倒される旧市街の味が全く違ったものだったけれど。

この海沿い、海岸には猫や犬だけではなく、家を持たない人たちが自分で家を作り、暮らしている。開発される街に必ず生まれる格差とその存在だ。

海沿いの場所で生活を送る様子の一人のおじさんが、子犬・子猫を眺める私に気付いて、微笑むと、おじさんは周りの犬・猫たちへ声をかけ始めた。
それがアラビア語だったのかおじさんの動物たちへの掛け声だったかはわからないけれど、その声を聞いた特に犬たちは嬉しそうにおじさんの周りに集まり始めた。えさをやったりかわいがっているんだろう。
たくさん集まる犬たちを見て思わずかわいらしさに嬉しくなっていると、おじさんはそんな私を見て嬉しそうにしてくれた。
その表情は本当に優しさが汲み取れた。

海沿いにたくさんいる犬や猫たち。

おじさんの呼びかけに集まり始めた犬たち。

犬を集めてくれたおじさん☆

私が海やイヌ・ネコの写真を撮っていると先ほど挨拶を交わした感じのいいおじさんが、どうやら犬を集めてくれたおじさんとお友達らしい。仲良く話していて、私を向くとジェスチャーで「写真を撮ってくれるか」と聞く。
普通のカメラにデジカメ、両方持っていく旅行だけど、人に頼まれたときはデジカメで撮る。見せて喜んでもらえるから。
この二人のおじさんも少してれながら喜んでくれた。嬉しかった。

少し会話をした(?)おじさんたち。

テトラポットの上で猫がじっとしていた。
「アッサラーム・アレイクム」
声をかけてみる。

熱気を帯びた紅海の港町ホデイダ2 へ
美しい紅海・ホーハの海岸 へ

辺りは、まだ暗いことはないものの、日は沈み、暗くなるのも時間の問題だった。
少し長いし過ぎてしまった。そろそろホテルへ帰らなくてはいけない。何しろホテルへの道は人気がなく大通りでも少しくらい道だから。ホテルを意識すると自分の体調の悪さが改めて思い出された。ああそうだ、熱があったんだー。
おじさんたちにさよならを告げ、持っていたあめ玉を渡しその場を後にした。
少し急ぎ足で来た道とは少し道を変えてホテルへ向かう。少しして警察署が見える、少しほっとする再び。
さっき6人ほどいた警察の人は2〜3人。さっきよりもフレンドリーに私に手を振り挨拶をする。
「バハル ジャミール ジッタン!(海キレイだった〜)」
私の言葉に警察のお兄さんおじさんたちも喜んでくれる。
人とのふれあい。こういうのが旅で一番の楽しみだ。
言葉が通じなくてじれったくもあるけどね。それでも、気持ちと笑顔が通じればいいや☆

ホテルがまもなくのところで、路肩に出ていた大きなリヤカーの果物屋さんでいくつか果物を買った。やわらかくてみずみずしい洋ナシを買おうとしたら、他の3倍くらいの値段で、思わずやめる。ああ、また現地の感覚に近づいている。体調が悪いなら買えばいいのにと、こういうささやかなケチりを後からあきれることがたまに。

ホテルの前の公園に立つ飾られたやしの木。
海へ行くときと帰り道。
私のイメージのイエメンとは違う。

シャワーも浴びずに寝れればいいと思っていた。でも、予定よりも高い値段を払って泊まった部屋にはバスダブ付きのシャワーがあった。お湯は出ないって言われていたけどね。汗もかいたしせっかくバスダブ付きなら入らなきゃ損(←貧乏性)と思い、一番は熱射病のような症状に体のほてりをとったほうがいいかと思ったのもあって、休憩した後少し冷たいのを我慢してシャワーを浴びた。

部屋の電気をつけて言葉がわからないながらもファンを付け、テレビを見ていた。折りしも明日に犠牲祭を控えたイスラムの国では、イスラム教の聖地メッカへの巡礼の様子がいくつものチャンネルで、ニュースなどで放送されていた。
それが、不意に消えたの!
がーん。停電です。いろいろ試したけど、ダメそう。部屋を出るとどうやら、私の部屋だけみたい、がっくし。
ちょうど、通りかかったホテルのお兄さんに伝えると、部屋を替わるようにという。代わる先の部屋はツインのさらに広い部屋。
ありがたかったけど、ありがたくなかった。熱がさらに上がっている私に身の回りのものをしっかり出した部屋を改めて変える力はなかった。
デジカメの充電だけお願いして隣の空き部屋にささせらもらって、部屋で休んだ。

トントントン
トントントン
どこの部屋だよ、こんな時間にノックするなんて。早く出ろよー。
トントントントン
えええ?もしかして、私っスか?寝てるってばー!
トントントン
あけたら危険かと思ったけれど、向かいの部屋にはお客さんがいたはずなのでいざとなったら叫べばいい。
「はいー!」
あけると先ほどのホテルの人。
何かを言っているが、どうやら私の充電が終わったらしい。わざわざ気にして持ってきてくれた。また、停電はどうか、部屋を替わらなくていいか、聞いてくれたけれど、熱でちょっとそれどころじゃ・・。
体調の悪さをジェスチャーで伝えてドアを閉めた。
寝始めたときはファンがつかずに少し暑かったけれど、もう外は涼しくなっていた。小さなベランダからコウ縁側の外を見た。深夜12時を回っているのにまだ開いてる店がある。何人もの人がいた。明日お祭りだからかな。