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1. 町歩き1

2. 町歩き2

はちみつ色の壁で作られたミディヤット旧市街の
建物郡の景色からはモスクの尖塔だけでなく
シリア正教会の塔が独特な十字架をいただき
空へと伸びている。

この景色が古くからさまざまな人が暮らし
共存してきたこと、人々の変わらない暮らしを伝えている。

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ミディヤット2 町歩き2 へ

ヨーロッパに見られる教会とはまた違う作りのシリア正教会。

ミディヤットへはマルディンとバトマンを結ぶバスで途中下車をする。
私はマルディンから出発して町へ入った。何もない大地をいくつかの村を過ぎてようやく2時間弱ほどしたところでこれまで過ぎてきたよりも大き目の町に入った。割りに新しく整備されこじんまりと収まった町並みで、所要時間を考えるとここがミディヤットだ。でも私の持っている情報とは違う町。
何人かの人が降りて更に車が進んでいくと町を出てそのまま次の古そうな町並みが始まった。
はちみつ色、土色の低い景色が立ち並び始めた。
ここだ。ミディヤットの町。

後から知った情報でミディヤットには新市街と旧市街があり、私の求めていた見所はもちろん旧市街。

バトマンまで127Kmの地点での標識。
手前の行き先を表わすプレートはバトマンからだと
裏を向けて表にこのミディヤットが出る。

ずいぶんと広い敷地に作られたミディヤットの旧市街のオトガル(バスターミナル)。

緩やかな傾斜に低い景色の町並み。

他のトルコの町と違い見える塔はモスクの尖塔
だけじゃなく教会の塔もあるこの町。

オトガルから歩いてすぐに歴史を感じる建物があった。その下はアーチなっていて町の人が道として利用している。
どんな歴史があるのかと聞きたくて周りを見回すと誰もいない。どんどん近づいていくとさらに歴史を感じる。人を探しながらとりあえずくぐってみた。裏側からの作りを見ようと振り合えってみて思わず自分の目を疑った。
2階の窓は割れたまま。その周りの壁には無数の銃痕がある。
ぼうぜんと見ながらここでなにが起きたのか考えていると正面からこの建物をくぐるかわいい少女が現れたので、挨拶を交わし話してみた。
「この建物は古いの?」
「うん、古いよ。」
「あそこに銃で撃ったようなのがあるけど・・・」
「うん・・・。」
少女の顔がすごく悲しそうに曇りながら答えた。
「何があったの?」
「あそこでは1993年にここで暮らしてい12人のたトルコ人の家族が殺されたの。」
「えええ?!本当に?」
「うん。残念ながら・・・?」
その子の顔は本当に悲しそうだ。
「それって、まだ最近のことだよね?その人たちは何かしたの?」
「ううん。トルコ人だから・・・。」
この地に暮らす多くの人はトルコ人でありながらクルド人というアイデンティティを持った人々だ。その強い民族意識と独立精神からいまだに「トルコ」と「クルド人」との争いは終息していない。
「トルコ人というだけの理由?!」
「うん。」
「理解できない・・・。」
「うん。すごく悲しい。」

この地域が民族や歴史の特性からトルコのほかの地域と比べただ「地域」とは片付けがたいほど強い個性を持った土地だと旅をする中で実感を深めていったけれど、ここへ来る前にマルディンのオトガルで強いクルド思想を聞いた後のこの事実はさらに衝撃だった。

ただクルド人というだけで殺された人がいると聞かされた。
そして、だたトルコ人だというだけで殺された人がいるということも。
トルコの大地で。

私にこの事実を伝えてくれた少女はまだ生まれたかどうかの年だけれど、それでもちゃんと親か誰かからその真実を聞き、それがとても悲しいことだと私に伝えてくれたことがまだ嬉しかった。
とても感じのいい彼女はおつかいへ行く途中のようだった。
気持ちいい空のような笑顔で角を曲がって去っていった。

オトガルの周辺は青い空とはちみつ色の壁のコントラストの景色がしばらく続く。

オトガルから一番近くにあった教会はその独特な十字架からシリア正教会だとうかがえる。

オトガルからみていた教会の塔をひとつの目標に歩いてきてようやくすぐ脇までたどりついた。中が見てみたくて来たけれど残念、ドアはしっかりしまっていて内部を見ることはできなかった。
周辺の人はキリスト教徒なのだろうか。
この教会は今も人々の生活の一部に強くあるんだろうか。

住宅の並ぶ地区では
鶏は放し飼い。

小道を入ると石積みの壁の角に屋根がつけられた場所。そこにはおばさんがいた。
角に据え付けられた土の穴に手を突っ込んで何かを取り出す。
中から出てきたのは焼きたてアツアツの大きな丸い形のパン。近づいてみるとここはおばさんちの釜だった。
中にはまだ焼いている丸いパンが壁にへばりついて芳ばしい香りを漂わせている。
おばさんが焼きたてパンをちぎって私に試食を勧めてくれた。そりゃあもう、焼き立てですから〜!素朴ですごく優しい味。
嬉しそうに食べる私におばさんは大きなパンをひとつ差し出す。それは大きすぎると言うと半分にちぎり、にっこりと焼きたてパンを旅人の私にくれた。
まだあたたかなパンを片手に旧市街の散策を続ける。

ていぜ(おばさん)、
おいしい焼き立てパン
ありがとう〜!

舗装されていない道が続く。

鶏の写真を撮っているとその向こうにはこちらを見つめる少女たち。
近くによって話しかけると恥ずかしそうに挨拶を返した。

歩いていると正面からちょっと不振気な男の人がこちらを見ながら歩いている。あまり関わらないほうがよさそうだ。
目が合ったので挨拶を交わすと向こうから話しかけてきた。
「何人だ?」
「日本人。」
「日本か、経済や技術の発展したすばらしい国だ。」
「どうもありがとう。」
「オレも日本に行きたい。」
「へぇ〜」
「お前とオレは友達になろう。」
なんだかすごーく勝手な流れを作って話している人ですごく不快だったので
「あなたと私は友達じゃないよ。」
と通り過ぎる。それでも視線を感じて怖かった。
町の中心部へ行きたかったけどキョロキョロしたら話しかけられてしまうのでどっちに行こうかと考えて歩いていたらなんと斜め前の道から最初に出会って話を聞かせてくれた少女がおつかいのビニールを下げて歩いてきた。
「めらば〜!(こんちわ〜)」
お互い嬉しくて話をする。
「町の中心ってどっちかな?」
と聞くと彼女は私に説明を始めてくれた。それを聞いていたさっきの男が口を挟む。
「お客さんだぞ、説明じゃなくて連れて行けよ。」
はい?あんた・・・
少女はお使いを早く済ませなきゃならないようで手に持った荷物を見て困った顔をしている。
「私は自分で行けるから道を聞いてるの!」
この言葉に彼女は助かった、という顔をしたけれど男は私を無視して、今度は近くの子供を呼びつけて、少女の家へお使いを持って行かせて少女は私を案内したらたらいいとか言い出している。
お客様を迎えなきゃ!っていうのはわかるけどさ、ちょっとおかしいでしょ!
少女は私を連れて行けないことを申し訳なさそうになってしまい始め
「私はただ、聞きたいだけ!案内はいらないの!それに、私は彼女に聞いたけど、友達でもないあなたには聞いてないの。」
ちょっと大きな声を出してしまった。
男は悪びれた風でもなく「ふぅん」てな感じでうなづきその後は少女に文句を言っていた。とてもかわいいいい子で私を連れて行けないことを謝っていた。逆にごめんね。彼女と2度目のお別れをした。