
















フェズの二日目、覚えたわずかばかりの道を
こなれた風に歩く。
私の中に少しだけモロッコの空気が入ってきているのを
感じながら町に出る。
「スバーフル ヒール!ラバース?」おはよう元気?
もちろん答えは「ラバース!元気だよ」
ポストカードの
ブー・ジュルード門
左から
次男 アブデルハック
紅1点 マジェダ
4男 アブデルマレック
3男 アディル
お母さん
長男 ムハンメッド
5男 アブデルファタフ
@オトマニ家
お父さんもとてもステキな人
紹介したかったけど、写真は
隣に不細工なメリがいるため
載せれず・・
ホテルから私を見送るH
身のこなしがかっこいいのだ。顔もかっこいいけどさ。
フェズに落ちる夕日
景色に見ほれる私=外国人に興味津々の子供たち
やはり二日目も朝は早めに目が覚めた。今日は陶器地区へモロッコのフェズのタイルを見に行く予定だった。しかしその前に、このフェズの旧市街フェズ・エル・バリへの入り口の中でも取り立てて美しいブー・ジュルード門をまず見なくてはいけない。
私の携える旅の友「地球の歩き方 モロッコ'04-'05」の表紙でもある景色を自分の目で見なくては。
私の泊まるホテルからここまではなんとわずか3分ほど。朝のまだ静けさの残る中にたたずむブー・ジュルードは美しかった。
すぐ脇にあるカフェのオープンテラスに腰を下ろし、おじさんに混じって温かなミントティーを頼む。寒い体に染み渡る。
行きかう人や時にはロバを眺めながら、日本の彼や友人、自分へのカードを書き、日記をしたためる。

朝日の中のブー・ジュルード門。
ミントティーの手前には書きかけのポストカード、向こうには車の入れないフェズ・エル・バリで活躍する荷物を運ぶロバ。
中から見ると緑の美しい装飾が、
1歩外へ踏み出して振り返ると
ブー・ジュルード門は青が美しい門になる。
手前にはモロッコらしいロングコート、
ジェラバをまとったおじさんが。
今回持っていった「歩き方」
まさにこの場所が、私の前にある。
なんだか嬉しい。
夕方のブー・ジュルード門。タクシーの中から。
ライトに照らされると
昼は日の色に染まっていた白が
まぶしく自己主張する。
ブー・ジュルード門を入ってすぐのところには
たくさんのレストランやカフェが並んでいる。
陶器地区を訪れ、午前中にはフェズ・エル・バリへ帰ってくるつもりがあっという間に午後を過ぎていた。今日はHと一緒にランチだ。1時半にはホテルにいなくては。
陶器地区でこのフェズ・エル・バリへ戻るための乗り合いタクシー、グランタクシーを教えてもらって乗り込むと、ついたのはこの門、マルーク門だった。洗練された感のあるモロッコの美しさの象徴的なブー・ジュルードとは違うより実用的な感じのする門。入ってすぐに青空市場が所狭しと並び、冬であることがうそのように穏やかな日の中でたくさんの食材にあふれていた。
ホテルやブー・ジュルード門まではすぐの場所だったのだけど、雰囲気が全く違っていた。ホテルから中心部への道で感じていた古きよき雰囲気がここでは昔から続く人の生活感が漂っていた。
青空市場からレストラン街を抜けまもなくホテルと言うところで、本屋さんや靴屋さんなどで物色。
それでも予定より早く着いて待っていると15分ほど送れてHが登場した。
「メリ行こうか」
モロカンフード〜♪
ルンルン気分でどんなレストランかとわくわくして着いていくと(あまりの足の速さについていけてなかった。←どの人よりも早かった)、通りから細くやや暗い小道に入りすぐにあったドアを開いた。レストラン?中は入り口の薄暗さがうそのように光にあふれた広い中庭のある場所だった。
「ここ・・・って」
「うちだよ」
えええ?招待って、おうちのお食事に招待してくれたのね〜〜!
「もう少し待ってね」とHが言う。
普通に今っぽいHの面立ちとこのモロッコらしい家が微妙なミスマッチのように感じたけれど、彼の中身はこの環境からできてるんだなぁなんて考えながら、私たちはまたいろんな話を始める。
ここはフェズ・エル・バリの喧騒がうそのように静かに、白壁と鮮やかな色のオレンジを付けた木の緑そして見上げた空の青さが際立つ。
待っている部屋の中庭越しの部屋から、料理をしている音と香りが私に届く。お母様が料理を作っているらしい。
また手料理に出会えるなんて〜。幸せ〜。
そう、本当に幸せだったのだーー!
だってだって!すごくおいしかったの!
途中から一緒に食べたお母さんとおじいさん。私が食べるのをニコニコしてどんどん勧めてくれた。
それがまたおいしさを増させる。
H〜
本当にありがとうね。
ステキな時間を。
その後でHにジェラバを買いに連れて行ってもらう。
ついでに私は次のリクエストもしていた。リクエストと言うか、大衆浴場ハマムの場所を聞いていたのだ。聞いたら自分で行こうと思っていたのだけど、「用意して」と言われ、あわてて用意するとHはすぐ近くのハマムの入り口まで連れて行ってくれたばかりか、入り口でそこの人に私を託していってもくれた。おかげで熱さによいながらもすっきり爽快。
コレまで行ったことのあるトルコのものとはだいぶ違ったハマムだった。
ステキなH家
左のほうの土壁らしき建物がハマムだった。
ハマムを出た時、時間はもう夕方。
ホテルに戻って少し休憩すると、ああ!大変明日にはこの地を旅立つと言うのに、私の大好きな景色を見ていない。高台から見下ろす町の景色が好き。
ガイドブックを見て見晴らしがいいとかかれている、マリーン朝の墓地へ行くべく、ホテルにいたHに場所を聞こうとすると、Hはつらつらと字を書いてくれた。アラビア語。
「マリーン朝の墓地よりもここがいいよ。急いでもうすぐサンセットだ。コレをタクシーのドライバーに見せればすぐに行くよ!」
日はもう傾き始めている。私は走ってタクシー乗り場に向かってその紙を出した。おじさんに日が沈むのをボディーランゲージでと英語で伝えると、それを汲み取ったおじさんもよし!と言わんばかりの運転。
真っ青だった空が赤く染まり始めている。
着いてすぐにふらふらとなお高台へと足を向けずんずん進む。
一人仕切り上って見下ろすと、
「うわぁ」
フェズの町が、私の眼下に広がっている。
うっすらと白いもやのようなものがかかったそこは旧市街。土色の建物が所狭しと並ぶ。人が身を寄せ合って生活しているかのようだ。
私のいた場所はもう閉める場所だったらしく警備員のようなお兄さんに私をものめずらしげに見ていた子供たちもろとも追い払われた。
その場からさらに上へと続く階段がある。まだ、高くへ行けそうだ。そこを上っていくとさらに開けた地元の人の憩いの場のような場所に出た。Hはここを教えてくれたのかもしれない。
夕焼けが歴史の中のフェズの町をさらに深く演出して、私はしばらくその場の階段の脇に腰を下ろして、ただ、眼下のフェズを見下ろしていた。
モロッコにいるんだぁ。
「モロッコに来たら砂漠に行かなくちゃ!」
そんな言葉が頭を回る。
しばらくして横を通りかかったモロッコ人の男の子が私に気づいて足を止め、話しかけてきた。
「こんにちわ、どこから来たの?」
ありがちな会話だけど、「日本だよ」
「・・・君、スペイン語はなせる?」
はいぃ?ここではアラビア語かフランス語が主な言語だ。場所柄スペイン語を話す人はそれについでいるとは聞いているけど、いきなりそこから聞くとは・・。
「話せないよーーーなんでスペイン語なの?」
「そうか〜。僕は大学でスペイン語を習ってるんだけど、話せる人と練習したくって、知ってる中国人が英語とスペイン語とフランス語が話せるから、君も話せるかと思ったんだ〜」
「いや、それ普通じゃない」・・
残念がる英語が苦手な彼と英語で会話。スペイン語できません。途中からすぐ脇にいつの間にか来ていた彼の友人たちも来て、いろんなことを話していた。コレも私の好きな旅の一ページだ。
夕日はどんどん沈み町の周りの闇が広がっていく。あまり遅くならないうちにオトマニ家へ挨拶に行かなくちゃ・・・。モロッコの大切な思い出。
話の途中ほんとにふと、ふっと思い立った。モロッコにいるんだもん、やっぱり砂漠、行こう。
「ねねね、今日の夜砂漠に行けるかなぁ?リッサニへ」
「今から?」
時計はすでに6時を過ぎている。
「確かバスはあると思うよ。」
「私行くよ」
3人に挨拶をしてタクシー乗り場へと小走り。したけれど、戻って3人の顔をパシャリ☆




旧市街を見下ろす。
お話したモロッコ人の大学生の3人
「私今晩リッサニ(砂漠への入り口の町)に行く!」
あわててホテルに戻るなり、そこにいたホテルのお兄さんとHに告げると、それは早い対応で、私を連れて電話屋さんへ行きHはリッサニから近い砂漠の中でホテルを経営するいとこアリさんに電話をしてくれた。
「メリ、すぐに行ける?」
「うん、荷物まとめてチェックアウトして・・でも友達にさようならを言わなくちゃいけないよ〜」
「じゃあバスのチケットがまだあるかわからないから今から僕が新市街のバスターミナルに席を取りに行くよ。バスの時間は9時だからね。あと2時間だよ。30分前にバスターミナルでいい?」
「も、もちろんだけど、H、いいの?!」
「荷物と、昼の直しに出したジェラバも持っていくよ」
「えええ!?ほんとに?!」そんなことまで。
「it's my presure」(直訳すると「それは僕の喜びだよ」気にしないで、君が好きだからやってるんだよ。そんな意味合いか)
Hにはたくさんの感謝をしなくてはいけない。
「メリ!早く行かないと!」
「ありがとーー!H!」
コレを甘えきると言わずなんというのか。Hの温かい好意に甘えて私は小走りでオトマニ家へ挨拶に向かった。
このフェズ滞在で最後に訪れるオトマニ家。すでに4回目の訪問だった。
家に行くといつものようにお母さんがすっかりなじんだ感じに嬉しそうに迎え入れてくれる。
中には兄弟の二人か3人がいて、また嬉しそうに私の座る場所を用意してくれる。
お礼のプレゼント(扇子と万華鏡)を喜んでくれた。
ちょうどいたのは話す機会が少なかった紅一点のマジェダと3男アディル。ツイてる私は、ここを去る前に二人とも仲良くすることができた。アディルは私にとって3回目(笑)となるこの家の兄弟の部屋を案内してくれた。
少しして、兄弟とお父さんが次々に帰宅。私がここにいることを自然にでも笑って迎えてくれる。本当に本当に嬉しい時間だった。
すごくすごく、あったかーい気持ちになった。
「ホントにホントにありがとう」
「メリ、僕たちは君と知り合えてとても幸せなんだよ」
「ありがとう」
腰を上げようとすると、ご飯が出てきた。私も一緒に食べることが当然のように出てきたことがまた、嬉しい。時間がないから断ったけれど、引き止めてくれる家族たちに、好意に甘えおいしい料理を少し頂いた。
「ご飯中にごめんなさい。行きます。」
みんな笑って送ってくれた。
近くにルシーフ広場まではアブデルマレックが一緒に。
思わずタクシーに乗り込むときに涙が出そうになった。
ほんとにありがとう。
バスターミナルへタクシーを急がせて着いた。10分ほどでHが来る。
「大丈夫だよ。席は取れたから。荷物ももうカウンターの中だ。」
しっかりもののH.。甘えてばかりのメリである。
荷物を探してHがとってきてくれた私のジェラバを着てみた。
「とても似合ってるよ。」褒めるのもうまい・・。
乗り場の入り口があくまで30分ほど、お茶をして、清算をしてもらって、そして最後にまた普通の友達と話すように話をして待った。
「Hもう帰っていいよ。私ひとりで待てるから。」
「メリが中に入るまえにさよならのハグをするのを待ってるんだ。」
くぅぅ言うことがかっこいいじゃないの!
「もうそろそろ乗るね」
「メリ、君はいい友達だよ」
「ほんとにありがとうね。彼女と幸せになってね!H!」